ほっとひと息。

ふと思った事、どうでもいい事、真面目な事、ヲタク話、気の向くまま書いてます。好きな事を好きなだけしたい、マイペース人間のメモ帳。

THE NETHER ハイダウェイの魅力

北山宏光主演舞台 THE NETHER

 

あらすじ、ネタバレ、感想、などのメモ。

完全個人的な考察も込みです。

あれこれ考えて、想像して、ごちゃごちゃと

書き留めてますのでこういう見方もあるのか

程度で気軽に読んでいただければ◎

 

f:id:tanoshiieveryday:20191022221745p:image

 

▼あらすじ 公式サイト引用 ・・・

インターネットが発達した近未来。

人々は<ネザー/NETHER>という

仮想空間で膨大な時間を過ごしている。

捜査官・モリス(北山宏光)はネザーで

おこなわれる犯罪を取り締まっている。

尋問室で、彼はシムズ(平田満)という

男と対峙していた。シムズには自分の管理する

「ハイダウェイ」というエリアで子供との

性行為を提供しているという疑惑があった。

モリスはハイダウェイの顧客だったドイル

中村梅雀)という男の尋問も並行して進めていく。

また、モリスはハイダウェイに潜入捜査官・

ウッドナット(シライケイタ)を送り込んでいた。

ウッドナットはそこでアイリス (長谷川凜音/

植原星空)という美しい少女と出会う。

・・・・

 

 

ピアノメロディーと雨の音

傘を持ちコートを着たモリスが登場。

雷の音。険しい様な、どこか寂しい様な表情。

 

( 尋問室 ) モリス 対 シムズ

家に帰りたいと言うシムズ。

何を言われても冷静に跳ね除けるモリス。

遠回しに犯罪について追求していく。

帰ってもいいが、ネザーに二度とログイン

出来なくすると脅す。

苛立っているようなシムズを見下すように

淡々と、手元のタブレット資料を読みながら

容疑の潜入捜査について語る。

 

暗転と同時に場面チェンジ。

モリスはスーツのジャケットを脱ぎ

シャツにベストの状態に。

シムズの尋問はジャケット、

ドイルの尋問はベストと服で場面分け。

 

( 尋問室 ) モリス 対 ドイル

ドイルについての説明を読み上げるモリス。

逃げたいような苦しそうな表情のドイル。

ドイルの地位や経歴は守ると優しさを見せるが

彼女(アイリス)は助けて欲しいと願うドイルに

それは出来ないと突き放す。

それなら何も話さないと口を閉ざすドイル。

ここでのドイルは今回の事件の関係者?

共犯者というわけではないが、犯罪と

わかっていて性行為の提供を受けた

ユーザーと見られているように思えた。

(この時点での個人的な印象)

 

( 尋問室 ) モリス 対 シムズ

サーバーや管轄など難しい対話から始まる。

シムズの性的思考を妻が知っているのかと脅す。

性行為の提供について追求していくにつれて

興奮をして声を荒らげるシムズ。

落ち着いてください、となだめながらも

強い口調をやめないモリス。

立ち上がって反論するシムズを見ても

お座り下さい、と冷たい目線を向ける。

開き直って私は病気だと語り出すシムズを

じっと見つめるその目はどこか軽蔑している

ようにも見えた。

 

( ハイダウェイ ) アイリス パパ

アイリスと仲良く遊ぶパパ。

パパのことが大好きでたまらないというような

無邪気で可愛い、無知な女の子。

バースデーパーティーがやりたいアイリスに

変わらないことが美しいと教える。

ここで交わされる会話は哲学的な要素もある。

アイリスが出て行きウッドナットが登場。

 

ハイダウェイでの場面はモリスが尋問室で

話している内容とリンクしている。

( 尋問室 ) モリス 対 ドイル

ハイダウェイの情景を記した捜査資料を読み上げる。

聞きたくないと途中で中断させたドイルは

パパのことは知らないと一点張り。

妻との愛情が薄れ、娘も親離れの歳を迎え

仕事のやりがいも失い、愛に飢えている男。

そんなドイルを調べ上げているモリスは

ネット世界への移住は危険だと伝える。

 

( ハイダウェイ ) アイリス ウッドナット

アイリスの部屋。

ウッドナットは不思議で鮮明なハイダウェイの

世界に魅了され始めている。

その魅力に落ちていく自分に恐怖心を

抱きながらもアイリスへの愛情が止められない。

アイリスはそれでいいと優しく声を掛け

服を脱ぎウッドナットを誘うように見つめる。

 

( 尋問室 ) モリス 対 シムズ

モリスはどうしてこんなことを?と

聞きたかったことを投げかける。

ポルノの何が悪い?とシムズは語る。

もしかして妖精とSEXをしたことがないのか?

と少し驚いたように聞くシムズに

一瞬ムッとした表情をしたモリスは

妖精とSEXしたことはない!と言い切る。

(正直最初は何言ってんのこの人達…と

いう感情も少しあったけども。小声)

シムズは徹底的に自分は間違っていないと言い切るが

全て知っているというように圧力をかけるモリス。

 

( ハイダウェイ ) アイリス ウッドナット

楽しそうなダンスの練習。

幸せだと2人で言い合う、柔らかい雰囲気。

蓄音機はどうやって音を作り出すのか、

そこからお互いに同じ感情や感覚を

感じられるのかという話に繋がる。

少し難しい流れの会話だけど、

ウッドナットの寂しさが詰まっている。

パパが来て時間オーバーだと伝える。

 

( 尋問室 ) モリス 対 ドイル

だるそうに座り、だるそうに答えるドイル。

尋問を続けながら、ちゃんと座ってくださいと

伝えるモリス。

ドイルとパパが仲良くなった経緯を聞く。

アイリスとの出会いも聞く。

その時はアイリスではなく、ヘンリエッタという

女の子がいたと言う。

ヘンリエッタの見た目はアイリスとそっくり。

その変わらないことがサービスだというが、

その設定の裏には、実在の少女がいたのでは

と考察を広げるモリス。

ヘンリエッタは寄宿学校へ送られたと知り

そこにいる少女達は、何か良くないことをすると

寄宿学校に送られるという推測を立てた。

その流れでモリスがドイルに言った、

「自分をパパに差し出したら寄宿学校に

送られてしまうのではないかと恐れていた

んじゃないですか!」という台詞と

「私はパパが何を考えているかわかってるんだ!」

というドイルの反論。ここで私はハッとした。

アイリスの背後にいるユーザーの存在に。

アイリスになっているのはドイルでは…?

でもアイリスは10代の可愛らしい少女、

ドイルは中年のおじさん…。

 

( ※ ハイダウェイ ) アイリス パパ

パパの言葉に対して、わかってるわかってる

と繰り返すアイリス。

私はさっきのドイルの言葉が蘇った。

アイリスに歳をとって欲しくない理由を

君を失いたくないからと伝えるパパに

たまに不安になると俯くアイリス。

その顔を見て秘密を1つ教えてあげるパパ。

世界でも珍しいポプラの苗木を庭に植えた

という秘密(事実)。

これは恐らくネザーでの話ではなく、

現実世界でのシムズ自身の自宅庭の話。

現実のことを1つ教えてあげるということが

ここではとても価値があることに

なっているようだった。

 

( 尋問室 ) モリス 対 シムズ

ウッドナットがアイリスと男女の関係を

持ったことは違法だが、安心しろそれは

ネザーでは許されている、とシムズは言う。

モリスはそれは彼が捜査の為にしたこと

であると落ち着いて正当化しようとするが

シムズはウッドナットが恋をしていたのではと

言い返す。

同じ容姿の少女や最初の少女について

追求するモリス、その言葉を無視して

アイリスの様子が変だったことを思い出し

何かしたのかと追求するシムズ。

2人の言葉はお互いに届いていない様。

シムズはモリスの冷たい言葉達に腹を立て

過去のモリスについて勝手に想像して話し出す。

挙句の果てに、現実世界でも性行為を

したことがないんじゃないか?と

モリスの下半身に手を伸ばす。

「触るな!!」と声を上げて睨み付け

前半の冷静さを失ったように早口で

少女を傷付け全てはお前のエゴだと怒鳴る。

その勢いでハイダウェイでのお前の姿は

現実世界と同じ容姿だと言い放ち、

それを聞き逃さなかったシムズは

なぜハイダウェイでの私の姿を知っている?

と聞く。

モリスは少し表情を固めながらも冷静を装い

捜査官が教えてくれたと答えるが、

ここでモリス=ウッドナットだということを

確信するシムズ。

私も、え…なるほど…と驚きながらも把握。

ここからはウッドナットがモリスであると

イメージしながらストーリーを眺めていた。

 

( ハイダウェイ ) ウッドナット パパ

アイリスに会いに来たウッドナットに

一緒にコニャックを飲もうと誘うパパ。

パパは、アイリスと関係を進めろと言う。

ここで言う関係は、ただの性行為ではなく

たぶん斧を使って体を傷付けるえぐい行為。

なぜそれをハイダウェイのゲストに

勧めようとするのかまだ私はわからなかった。

ここでウッドナットは父に愛されていなかった

過去を話す。(モリスが語っていた過去と同じ)

私はモリス=ウッドナットを完全に確信。

だとするならば、最初は捜査だったとしても

今はウッドナットは完全にアイリスを

愛している。モリスがアイリスを好きだということ。

あの冷淡なモリスが少女を愛すという

ミスマッチさに少し驚きもあった。

ウッドナットはアイリスに会い、

片手に美しい花束、片手に残酷な斧を持ち

ここでのルールを守らなきゃいけないのかと

声を絞り出すように伝える。

アイリスはパパからもらった秘密(現実のこと)を

言わない代わりに、自分自身の秘密を伝えた。

自然科学の分野で優秀教育者賞を貰ったという事実。

それは、ドイルの肩書きだった。

私はここでアイリス=ドイルであることも確信。

そうだとすれば、モリスはドイルを愛している

ということになる。

伏線を回収して物語が繋がれば繋がるほど

観客側の感情が混乱してくる、、、

 

( 尋問室 ) モリス 対 ドイル

ウッドナットとアイリスの関係の結末を

語るモリス。

ウッドナットはアイリスを斧で殺し血だらけになり

しばらくするとアイリスは再び戻ってくる。

ここの内容は仮想空間ならではの世界観。

現実ではないから人は殺しても死なない、

傷付けても痛みを感じない。

そのシーンはモリスが語る言葉だけで

表されているけど、一言一言の重みと喋り方で

その場の空気の重さが伝わってきた。

それはきっと、タブレット端末の捜査資料を

ただ読み上げているのではなく、彼自身が

実体験したことであるから。

「私がモンスターであることだけだ」と

捜査資料を読み終える頃には

ウッドナットの一人称であるはずの「私」は

モリス自身の言葉として聞こえていた。

ドイルもそれに気付き、君だったのか!

と目を見開いた。

嘆き崩れながら放っておいて欲しかったと

叫ぶドイル。だんだんアイリスの面影が

出てくるその姿は、現実世界で愛を失い、

ネザーでパパに愛されたい一人の人間。

愛されたくて少女の姿を突き通していたが

パパの愛はあなたに注がれていないと

モリスは冷たく突き付ける。

君を信じてた…と絞り出したドイルに

もう一度パパに会うことを提案するモリス。

パパがもしドイルを愛していれば

ハイダウェイで一緒に暮らせるようにする、

でもそうでなければパパの情報を

渡して欲しいと交渉する。

初恋の相手であるドイルに対して

パパのやっていることは間違っていると

真剣に伝えるモリス。

 

( ハイダウェイ ) モリス アイリス パパ

ハイダウェイにモリスの姿で存在する唯一の場面。

ウッドナットと過ごしていた穏やかな空間は

もうそこにはない。

パパが来るのを見つけてモリスは隠れる。

アイリスはパパに聞きたいことを全て聞く。

ここでのルールはわかってるだろ?と

答えようとしないパパ。

アイリスは私を愛してるか聞くが

それにも答えず、少し休んで忘れろと言う。

アイリスは泣いてしまい、パパは頬を平手打ちする。

やりすぎたと後悔するパパに、

もう一度秘密を教えてと言うアイリス。

現実世界のポプラの話を再び聞かせてくれ

立ち去るパパ。

ここで隠れていたモリスに、パパの情報を

伝えるという行為が成立した。

愛されていないと自覚したアイリスがとった

その行動に、静かに現れたモリスは

よく頑張りましたと伝える。

それから静かに語り出すモリスの言葉に

反応しないアイリス。

彼女(彼)はいつの間にかログアウトしていた。

 

( 尋問室 ) モリス 対 シムズ

彼女に何をした!と怒るシムズに

アイリスの正体を明かすモリス。

アイリスはログアウトした後、自殺していた。

パパに愛されていないことで絶望し

パパに弄ばれたことで命を絶った、

彼(彼女)を殺したのはシムズだと言うモリス。

その愛していない事実を本人に伝え

捜査に協力までさせたことで命を絶った、

彼女(彼)を殺したのはモリスだと言うシムズ。

アイリスのことを大事に思っていたと

シムズは言うが、彼女が年老いた男性であっても

同じことが言えるのか!と追求する。

それはあの子ではないと受け入れないシムズに

あれは彼だと現実を突き付けるモリス。

 

シムズは、仮想空間はあくまで仮の世界、

現実とは違い自由であるべきという考えの元

ハイダウェイという場所を作り、好きな姿で

自由に愛し合いその愛がルールを超えないよう

コントロールをしていただけであって、

モリスはそれを壊し、自由な姿で生きていた

ドイルを現実世界に引きずり出して苦痛を与え

自殺に追い込んだとモリスを責める。

 

ここで長い沈黙。

脱力したように椅子に座り、

目線を落としたまま呆然とするモリス。

 

モリスはそもそもハイダウェイを作り出し

偽物の姿と愛を作り出したシムズが悪いと

尋問を続けてきたはずだったが、

シムズの言葉も間違っていないと頭では

わかっていて、自殺に追い込んだのも

自分のせいであるという気持ちも恐らく

持ち合わせているのではないかと思った。

 

静かにサーバーの場所を白状するシムズに

小さくありがとうございますと返す。

もうどうでもいいと呟くシムズに

涙を溜めて、ハイダウェイを愛していたと

伝えるモリス。

アイリスをどれだけ愛していたか、

どれだけあの場所が好きだったか、

でもあの場所であの子と永遠に暮らしていたら

どうなっていたのかと涙ながらに尋ねる。

その明確な答えは返ってこなかったが

シムズは現実世界で出会った少女の

話を教えてくれた。

女児を愛するということの反社会性を

理解していたからこそ出来上がってしまった

ハイダウェイという空間。

その話を聞きながら、モリスは涙を止め

捜査官である顔に戻り、あなたは自由だと

ハッキリとした口調で伝える。

 

ここで回想シーンとして

※ のハイダウェイでの場面になり

そのアイリスの姿はドイル。

中年男性2人のやり取りは現実世界だと

違和感となるはずだけど、ここは仮想空間。

ハッピーエンドではないけれど、

この瞬間は、2人ともこの世界での愛を

信じていた。何も疑っていなかった。

ただ、愛して愛されたかった、それだけ。

その誰でも根底にある感情が溢れていて

何とも言葉にできなかった場面。

 

ラストシーンは、雪。

オープニングの雨と同じように

コートを着て傘をさすモリスが雪に

手を伸ばし何かを思うように見上げる。

悲しく、とても綺麗な目。

 

 

 

記憶を頼りに書き殴っています。(笑)

感想と考察を挟みながらですが

ネザーのストーリーをメモしたかったので

今回ここに書きました。

 

もう何回か観劇できるご縁があれば

もう少し正確な台詞もメモしたいなと。

その為には当日券への粘り強い挑戦と

スケジュール&予算の確保…(これ大事)

 

休憩無しの約115分の公演。出演者5名。

場面チェンジはあれど、モリス役の北山くんはほぼ出っぱなしの喋りっぱなし。

難しい言葉の詰め込みで、翻訳劇ならではの

言い回しもよく聞いてれば沢山ありました。

ほんと、凄いよ北山くん…。

ナマモノ舞台らしく、台詞間違いや噛むことも

ありますが、それでもちゃんと軌道修正して

ストーリーの流れを外さない、俳優魂。

ベテランさんに囲まれて日々色んなことを

吸収してるんだろうなぁと。

その分、カーテンコールでの少しの笑顔が

観てる側にとってはほっと一息つけるところ。

可愛くて無邪気な北山くんが垣間見れます。

 

北山くん担当としてまた一つ

大好きな作品ができました。

 

長々と、ほんっとに長々と、(笑)

読んでいただきありがとうございました!

 

ブログの感想、舞台の感想、好きな場面など

ぜひコメントで教えてください😌💓

 

 

りり ☺︎